イベントの内容
行き先不透明な時代だから、これからの道筋を示してくれる本を、みんなで案内しあう「水先案内本カフェ」。
さあ、いよいよ第2回を開催しますよ!
第2回課題本は、末木文美士さん著『草木成仏の思想』(サンガ)です。
仙台を拠点に頑張っていらっしゃいますサンガ編集部編集長・佐藤由樹さんをお迎えして
「草木成仏の思想」を熱く語り合いましょう!
スタイルは2部構成です。
①1部は毎回課題本をもとに、話合い、語り合いをしたいと思います。
②2部は参加者の皆さんが主役。自らがお薦めしたい、水先案内本を持ってきていただいて、紹介してもらいます。
テーマは自由です!
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「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「山も川も草も木も、みんな成仏できる」という意味で、日本人にとってはなんとなく共感できる考え方ですね。
これは日本古来の自然観で、仏教的な発想のようにも思えるのですが、日本を代表する仏教学者である著者の末木さんによると、実はこのフレーズは、仏典のどこにもないそうなんです…
では、「草木が成仏する」という思想はどこから生まれてきたのか?
そのルーツを探るのがこの本です。
そして本書の後半では、「自然とは何か?」について掘り下げ、日本人の災害観にも言及します。
「本当に豊かな自然観は、自然を単なる自然としか見ないのではなく、自然を他者として畏れと敬意と節度を持ちながら、親しむところしかない」
東日本大震災を経験した私たちにとって、深く考えさせられる一文です。
自然を「他者」として向き合うとは、どういうことでしょうか?
ここで言う「他者」とは「他人の中にある理解不能性」。そして、その真意を理解するためには、「見えるもの」をすべてと考える「近代的な世界観」と、公共性の外側に「見えざるもの」を想定していた「前近代的な世界観」の違いについて学ぶ必要がありそうです。
自然への畏怖・畏敬の感覚を忘れた現代人にとって、「草木が成仏する」という思想のルーツを踏まえて、自然との向き合いかたを議論することは、意義のあることだと考えます。
…ということで、サンガ編集部編集長・佐藤由樹さんをお迎えして、第2回「水先案内本カフェ」開催します。
お気軽に参加ください。
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・内容:
①サンガ編集部編集長・佐藤由樹さんに、この本の概略を話していただきます!
②「生物と無生物/有情と非情」「前近代/近代/ポスト近代」「自己/他者」などをテーマに、自由に語りあいましょう!
③2部は皆さんにお持ちいただいたお薦めの「水先案内本」を紹介してもらいます!