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櫻井園子個展「回小景」


櫻井園子個展「回小景」

●日時
2025年11月29日(土)〜12月14日(日) 11:00 〜 17:00
あと9日で終了
●施設
ビルドスペース
●住所
宮城県 塩竃市 港町
●カテゴリ
アート・展示会
●タグ
宮城 アート 仙台 塩竈
●イベントの内容
存在が枠にはめられ、消費されてしまうことへの強い違和感から始まりました。彼女は、そうした規定の言葉に抗い、「消費されない個」であり続けるために制作を続けています。絵画、パフォーマンス、写真、そして現在の立体作品へと媒体を変えながらも、その根底には「自己を見失わずに生きる」という普遍的な問いが流れていると言えます。また制作とは、自己との継続的な対話であり、更新の行為でもあります。問うこと、考えること、手を動かすこと――それらを反復することで、彼女の内側にある「純度の高い自分」が少しずつ増殖していく感覚があると言います。作品とは、そのプロセスの結晶であり、思考の痕跡でもあるのです。
近年の制作テーマである「情緒採集」では、櫻井は心が揺れた瞬間や、無意識に掴み取った感覚を素材として集め、それを見返し、なぜ心が動いたのかを思考する時間を大切にしています。旅先など、日常から離れた環境で感じ取った情緒や記憶は、年月を経て新たな気配を纏い、小さな景色――小景として立ち現れます。それらを石粉粘土や段ボールで立体的に組み上げる行為は、流動する彼女自身の内面を可視化する試みでもあります。作品を配置するという行為もまた、彼女の思考の延長線上にあります。直感的に置き、いつでも動かせる状態にしておくことで、答えを固定せず、変化し続ける自己のあり方を保つことができます。彼女はその自由さの中で、自分という存在の形を繰り返し見つめ直していると言えます。石粉粘土や段ボールは、水に還すことで再び形を変えられる素材です。その可逆性は、常に「やり直せる」「更新できる」櫻井の思考の象徴と言えます。幼少期にダンゴムシの家を作ったときの記憶や手の感触を思い出しながら、分解と再生の循環の中に、彼女は自己の本質を見出しているのです。櫻井にとって表現活動とは、変化し続ける自分の巣を掘り進める行為であり、その奥底に確かに息づく「消費されない個」を探し続ける営みなのです。
本展では、立ち現れた気配と小景の様子を粘土や書き割りの作品として具現化し展示します。鑑賞者にとっても「なぜ心が揺れたのか」「どんな情緒を感じたのか」を思考しながら見つめ直す時間となりましたら幸いです。
●サイト
https://birdoflugas.com/archives/1888
●詳細地図
地図はこちらから

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